関連項目:嫌儲(思想的なもの) 嫌儲用語の一覧(予定)

嫌儲板 (2ちゃんねるの板)

けんもういた 2012/3/3更新  

 嫌儲とは、2ちゃんねるにある「ニュー速(嫌儲)」板の略称。

 読みは「けんもう」が主流のようだが、固定の読み方は無いため「けんちょ」「いやんちょ」など人により様々な読み方がなされている。

 2ちゃんねるのニュース速報板から分岐した板の一つで、ネット上にある「嫌儲」的な思想を反映して作られたもの。 そのため、2ちゃんねるでも数少ない「アフィリエイトブログへの転載禁止」をローカルルールに掲げている。 

 カテゴリは同じくニュース速報板から分けられて誕生したVIPと同じで「雑談系2」にあるが、ネタ中心のVIPとは異なり嫌儲は原則としてニュースを扱う板となっている。
 もっとも、運営によるスレストなどの規制がほぼ存在しないこともあり、事実上スレはニュースのものに限られていない。 また、ニュース速報板はいわゆる「ひろゆきルール」によりアニメ・声優に関するスレは禁止されている()が嫌儲にはそのような規制はなく、売りスレ民が流入したことでアニメのスレが多く立てられている。 むしろ、スレッドの数こそニュースのものが多数をしめるものの、勢いのあるスレッドは売りスレを中心に軒並みアニメ関連のものになっている。

 この板は2011年までは注目されない過疎板であったが、2012年正月のステマ騒動をきっかけにニュー速民が大量に流入。 ニュー速と勢いがそのまま入れ替わるように一気に人気板となっている。

注:ひろゆきルール

 2007年に自称元管理人ひろゆきが示した、ニュース速報板でスレスト対象となるスレの一覧。 アニメ・声優などのオタスレも禁止対象だったが、ゲームやガンダムはおkだったり一方で社会的事件でも声優ネタは禁止であるなどあやふやな上に、忍者がそれぞれ好き勝手に判断をするため非常に不評だった。 ひろゆきが管理権を自称譲渡した後も維持されていたが、2012年2月に忍者のまとめ役が破棄を宣言したらしい。

アフィリエイトブログとの関係

 先述したように嫌儲板は「アフィリエイトブログへの転載禁止」をローカルルールに掲げている。 嫌儲の他にこのようなローカルルールを掲げているのはVIP板の嫌儲的な存在である「天国」板ぐらいしかない。
 もっとも、これはあくまでローカルルールであり、レスは他の板と同様に2ちゃんねるへ権利が譲渡される建前は維持されてり、その2ちゃんねる運営はアフィリエイトブログへ転載を禁止する姿勢を全く示してはいない。
 しかし、開設直後にあるまとめブログが転載を行った際には嫌儲板で祭りとなり、住人が炎上させたりあるいはアフィリエイト運営へ苦情を出したりしたことでブログが閉鎖に追い込まれたこともある。 そのためネット関係を扱う雑誌が「転載をすべきではない」と記したことがあり、また実際に転載をしているブログは非常に少ない。

 また、2012年のステマ騒動の際には、大手ゲハブログの「はちま寄稿」がニュー速から嫌儲への移住を揶揄したことがきっかけとなり、ステマ騒動とは本来的には関係のない「はちま寄稿」が祭りのターゲットとなった。 その結果、ごく僅かな手がかりから管理人の様々な非公開プライバシー情報が次々と「発見」され、管理人が交代を宣言する結果に至っている。

歴史 

設立まで

 アフィリエイトブログに対してはかねてより不信感が強く、VIPでは2006年5月にアンチまとめブログ騒動が発生しブログを閉鎖に追い込むなどしていた。 ニュース速報板では2007年12月末よりアンチまとめブログを唱える声が大きくなり、自治スレにおいて「ローカルルールに『アフィリエイトブログへの転載禁止』を入れよう」という運動が盛り上がっていた。
 しかし、その要求に対して管理人ひろゆきは「ニュースは広く知られるべき」という建前およびアフィブログの存在を全く問題視していないことから要求を無視。 しかしそれでもアンチまとめブログ派は収まらなかったため、同28日にひろゆきが代わりにあてがう形で開設された。

 ひろゆきのやる気の無さの表れか板の基本的な設定はニュース速報板をまるまるコピペし、板名はpoverty(貧乏・貧困)、カテゴリもニュースではなく雑談系におかれるという有り様であった。

過疎・三昧移民

 この当時はアンチまとめブログがニュース速報板でブームとなったこともあってそれなりに人が集まったようだが、場所の悪さもあってかすぐに過疎化した。

 その後しばらくして2010年5月5日、NHK-FMで「今日は一日○○三昧」枠において「今日は一日“帰ってきたアニソン”三昧」(アニソン三昧)が放送された。 この際、ニュース速報板で多数のユーザーが実況を行い、それに削除人が断固として対抗した結果、同10日に数十人のユーザーがニュース速報板を規制となった。 
 規制されたユーザーは嫌儲板に流れ込み定着、彼らを「三昧移民」、元からいるユーザーを「原住民」と呼ぶようになった。 

 その後もニュース速報板に問題があるたびに嫌儲に人が流入することがあった(「七夕移民」など)が、それらはニュー速が正常化すると戻っていった。 原住民は限られた固定ユーザーしかいなかったため、しばらくは三昧移民が板の多数を占めることになる。

売りスレ民の流入

  2011年10月ごろ、それまでアニメサロンex板に立っていた売りスレ(「アニメBD・DVDの売り上げを見守るスレ」、色々な板を移動しながら5000スレ以上を数える伝統スレ)において、大手アフィブログ「やらおん」が売りスレを転載しかつスレ内の作品のアフィリエイトを貼り始めたことをきっかけに反「やらおん」=反アフィブログの声が噴出。
 そのためアフィブログ転載禁止のローカルルールを持つ嫌儲に光があたり、嫌儲にスレごと移住することとなった。

 三昧移民と原住民を足しても過疎板であった嫌儲に、突如それよりも遥かに多い売りスレ民が流入したことで、勢い上位のスレは軒並み売りスレという状況になった。 もっとも、アニメのスレでニュースのスレを駆逐するようなことは行われなかったため、勢い数千の売りスレを筆頭に勢い1000以上ある少数のアニメスレと、それまで同様に過疎っている多数のニューススレが共存するという「一国二制度」のような奇妙な状況が維持された。 とはいえ、元々ニュー速民はアニメが好きで、しかも三昧移民はアニソンを実況していたユーザーであることから、嫌儲民とアニメ系の住民との親和性が高かったのではないだろうか。

ステマ移民の流入、まさかの人気板へ

 売りスレ民の流入によって嫌儲のレス数は増えたものの、それでも板全体としてみれば過疎板であることには変わらず、一日の書き込み数も2万程度しかなかった。

 それが大きく変わったのが2012年正月のことである。 元日よりニュース速報板では「ステマ騒動」が発生し、一部ユーザーが「焦土作戦」と呼ばれるコピペの連投やスクリプトによるランダム投稿を大量に行など大荒れに荒れる状況になった。 酷い時には「どのレスが人の手による本物かわからない」と言われるほどで、ニュー速は完全に板としての機能を喪失。 この過程で荒らしていたユーザーが嫌儲への移住を促すコピペを多数貼ったこともあって、嫌儲に多くのニュー速民が流入した。
 結果として、ニュー速と嫌儲のレス数(ニュー速:一日あたり十数万、嫌儲:2万程度)が全く入れ替わり、全板中VIPにつぐ書き込み数2位を記録するほどになった。

 ニュー速の騒動は一ヶ月以上たってBeログイン必須かつ忍法帳レベル3以上という非常に強い規制を敷いたことでようやく落ち着くことになる。 しかし、騒動のかつてない大きさやBeログインのめんどくささ、あるいは嫌儲の事実上無規制という特徴からか、3月時点でもニュー速への回帰は起きておらず、嫌儲のレス数はなお多いままを保っている。
 余談ながら、レス数だけでなく、雰囲気においても嫌儲はかつてのニュー速らしくなり、ニュー速は過疎でもまったりとしたかつての嫌儲のような雰囲気になっているような・・・?

 


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