関連項目：

ヤシマ作戦

やしまさくせん　2012/1/3更新 　

　ヤシマ作戦とは、
①　アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の作中で登場する作戦の名称。
②　2011年の東日本大震災後にTwitterで広まった節電運動。　
③　2007年のF1日本グランプリにおける運営の不味さを皮肉った言葉のひとつ。

②東日本大震災時のもの

　2011年3月11日、東日本大震災の被害を受けた東京電力・東北電力の複数の発電所が発電できなくなったため、関東・東北の電力需給状況が逼迫。　東京電力は停電する恐れがあるとし節電を呼びかける事態となった。
　これに対し、翌12日のうちには自然発生的に「ヤシマ作戦」と称した節電運動がTwitterで広まった。

　「ヤシマ作戦」はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の作戦名に由来する。　アニメの作中ではエヴァの砲撃のエネルギー源を融通するために日本中を停電させて電気を集めるというエピソードだったが、関東・東北の足りない電気を融通するために節電をするという状況をこのエピソードになぞらえている。

　この節電運動はマスメディアにも取り上げられて好意的に報道されたほか、映画版「エヴァンゲリヲン新劇場版」の公式ブログでも賛同の意図が示された。
　また、これに気をよくした一部ユーザーはさらにダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」にひっかけて「ウエシマ作戦」という名称をも広めようとしたが、同じ運動に別の名前をつける無意味さからほとんど流行ることはなかった。　また、Twitter嫌いな2ちゃんねらーには「あまりに狙いすぎ」と冷笑された。
　「ヤシマ作戦」も全国的な運動ではあったが、東京電力とそれ以西との間には50Hzと60Hzの壁があって遅れる電力に限界があった上に各電力会社に余裕があったため、東京電力管外から管内に電力を送るための送電としては無意味に近かった。　

　その後電力状況が多少マシになったことでこの流行は去ったが、驚くべきことに2012年正月現在もなお続けている人がいるらしい。　原発が停止し全国的に節電が必要になっている今のほうが意味があるかもしれない。

③　2007年F1日本グランプリ

　2007年に富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリは（通称スカトログランプリ）、運営が非常にいいかげんで多くの失態を重ねたことで有名となった。
　その失態のひとつが送迎バスの渋滞で、運営のミスに雨による道路の陥没も重なりバスが数十台が連なったまま動かなくなり、予定に間に合わない観客も続出した。　この時のバスが連なって並ぶ状況を、多数の車両が連なるアニメの「ヤシマ作戦」にひっかけて皮肉ったらしい。