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ポキオン

ぽきおん 2013/08/12更新

 ポキオンとは、元競走馬・種牡馬のアグネスタキオンの蔑称。

 産駒(子ども)に脚部の故障を発症するものが多かったことから、名前の「タキオン」に骨が折れる擬音語「ポキ」をかけたもの。
 いずれ故障に至るということから「ポキオンタイマー」という言い方もされた。

300ピース アグネスタキオン'01皐月賞 300-228

概要

 アグネスタキオンは2000年にデビューした日本の競走馬である。 その才能は早くから評価されており、クラシック競走の前哨戦では圧勝し2着馬の騎手である武豊に「ハンデが必要」とジョークを言わせるほどだった。
 タキオンはクラシック初戦の皐月賞も圧勝して三冠を期待する声も高まったが、ダービー前の調教中に脚部に屈腱炎(腱の断裂)を発症。 このまま現役引退をして種牡馬になることになった。

 種牡馬になると、初年度の産駒は頭数はそこそこながらも2005年のデビュー初年に次々と初勝利をあげるなどいきなり活躍。 さらに新馬で最初に行われる重賞も産駒のショウナンタキオンが勝利するなど、センセーショナルなデビューを果たした。
 翌々年には産駒の獲得賞金合計が国内産の種牡馬としては50年ぶりに1位となるなど、すぐにトップ種牡馬の仲間入りをした。

 しかし産駒に常にまとわりついたイメージが「早熟」と「脚部不安」である。

 産駒にはデビュー直後には活躍する馬が多いものの、デビュー直後のパフォーマンスに比べるとすぐに尻すぼみになってしまう馬が多かった(他種牡馬の産駒では全く活躍できない馬がかなりいるので、デビュー直後に活躍できる馬が多いだけマシではあるが)。
 特に初年度はセンセーショナルなデビューだった一方でその後が酷く、例えばショウナンタキオンはデビュー戦・重賞と連勝した後は鳴かず飛ばずで2年後に下級レースで1勝できたのみ、代わりにダービーと同時期のG1でロジックが勝利したもののその後は最後まで未勝利という状況であった。
 翌年以降は母親の選び方や調教などに経験を生かしたのか、2005年には皐月賞優勝馬・ダービー優勝馬に加えて有馬記念優勝馬も排出したが、多くの馬はやはり早熟で結局イメージは覆せなかった。

 さらに深刻だったのは脚部不安を発症する馬が多かったことで、レースを重ねると他の産駒に比べ骨折や屈腱炎など脚の故障を発症することが多かった。 先のロジック・ダービー馬ディープスカイ、有馬記念馬ダイワスカーレットはいずれも屈腱炎で引退、ショウナンタキオンに至ってはレース中の脱臼で安楽死処置に至っている。

 父親も屈腱炎で引退していることもあって、2006-07年ごろになるとネットでは「タキオンの血統は早熟な上に虚弱体質で若いうちしか活躍できない」と言われるようになり、「ポキオン」という蔑称で呼ばれるようになった。
 また、タキオン産駒が脚部不安を発症したニュースが流れると、 時限爆弾とかソニータイマーといったような意味合いで「またポキオンタイマーが発動したか」といった形の反応がなされるようになる。
 その背景には、馬券を買う側の見方として「タキオン産駒は主要レースでは期待できない」として見切ったり、競馬ファンとして虚弱体質馬ばかりなのに最初は活躍する(馬主に取ってはそれだけ早くリターンがあるため嬉しい)のでアグネスタキオンがもてはやされがちになる事に対し「そもそも有力な母馬の相手にタキオンを選ぶのをやめてくれ」といった反発の意思がこめられていたりしたのだと思われる。

 ただ2010年にタキオンが急死。 もう産駒がデビューすることはなくなっており、この蔑称も過去のものになりつつある。

SEシリーズ アグネスタキオン 第61回皐月賞
SEシリーズ アグネスタキオン 第61回皐月賞

 


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