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秘境駅
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【関連項目】 ・酷道
押角駅(岩手県)。 JR東日本の乗車人員リストには一日平均乗車人数が1人の 区界駅が載っているにもかかわらず押角駅は載っておらず、 年間でも365人未満と思われる。 |
ひきょうえき 2011-06-09更新
秘境駅とは、山奥などの僻地にある鉄道駅を指した鉄道マニアによる言葉。
一部の鉄道マニアの趣味要素であったが、最近は稀にマスコミなどに登場するなど認知度が上昇し、JRも秘境駅を訪問する臨時列車を運転することがある。
鉄道駅は、駅として費用をかけて維持されている以上は、田舎のローカル線であっても周囲にいくばくかの定住人口または何らかの施設があり、都会からみればごくわずかながらも乗降客が見られるはずである。
しかし、中には駅周辺にほとんどあるいは全く人家や施設がないという、駅を維持するに足る必要性を理解しがたい駅も存在する。
このような駅を指して呼んだものが「秘境駅」である。
もちろん、費用がかかる以上は無意味に駅を作ったわけではなく、
・ 設置した当時は周囲に集落があったが、過疎により集落が消滅しつつあるか消滅した
・ 駅周辺というには距離のある場所の集落の住民が利用者
・ 登山のための駅
・ その他特別な目的の駅
などがちゃんと理由として存在する。
もっとも、近年の経営合理化や自動車交通の普及に伴って、これら秘境駅を維持するだけの理由が無くなることが多い。 そのために次々と廃止・信号場格下げになったりそもそも路線自体が廃止されたりして、秘境駅は消滅しつつある。
秘境駅趣味は、不思議な存在の駅という好奇心とともに、かつての繁栄や消滅しつつある存在に対するノスタルジーを楽しむ趣味といえる。
鉄道マニアによる自然発生的なものであるから、客観的な基準はないものの、概要次のようなものがある。
周辺に人家が無いか僅少 | 最大の秘境駅要素。 秘境駅の名のとおり、秘境のような場所にあることがもっとも多いパターンである。 |
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到達が困難性 | 列車本数が極端に少ない、あるいは普通列車すら大半が通過するなど、安易に到達できないという要素。 鉄道によってこの駅を訪れるために多くの時間を消費するか、場合によってはこの駅を訪れるためだけに旅行することになる。 遠地の人間が行きにくく、行った時に価値があって嬉しいという無価値な価値。 |
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自動車など 他の交通による到達が困難 |
例えば、山奥でも峠越えルートならば近隣によく整備された国道や高速道路が存在することがある。 そのため鉄道で行くには困難であるが自動車でなら行きやすい、という場合も少なくない。 そこで、そのような手段ですら行きにくいことが重要視される。 また、「並行道路が未整備で代替交通がないこと」が駅や路線の維持理由になっていることがあり、この観点からもこの要素は秘境性を高めている。 |
秘境駅は、人口希薄な地域に多く集まる。 広く都市以外の過疎化が進む北海道、険しい山間部を路線が通る東北地方や中部地方、中国地方の支線に多い。
小幌駅
北海道
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しばしば「究極の秘境駅」と呼ばれる駅。北海道は噴火湾の再奥部に面した山中に存在。 駅の三方が山、残る一方も斜面を下った先に海という山奥で、周囲に人家がないばかりか500mも離れていない国道53号線から駅に延びる道はなく、鉄道以外でのアクセスが全く不可能という隔絶された場所にある。 そのため、物好きな釣り人と鉄道マニア以外の乗降客は皆無。しかし、一日3往復しか停車しないのに加え、場所も札幌からも函館からも遠い。 このような駅が維持されている理由は定かではない。 ただ、保線基地を設置した際に保線作業員のための仮乗降場(駅ではないが乗降を扱う場所)として設置(北海道にはそういう場所がいくつかあった)JR化時にJR北海道が仮乗降場を全て駅に昇格させたため、この駅も駅に昇格し、保線作業員のための駅として維持されていると考えられる。 同様の保線作業員のための駅ながら2001年に信号場に格下げになった石北本線の中越駅や奥白滝駅との違って残されているのは、これらが道路からのアクセスが可能なのに対し小幌は道路からのアクセスが不可能だからということなのだろうか。 もっとも、鉄道マニアが特急にはねられるなど問題があった場合、張碓駅のごとく廃止にされてもおかしくはない。 |
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上白滝駅 ・ 下白滝駅 ・ 旧白滝駅 北海道 |
北海道東北部、旭川市と北見市の真ん中くらいにある駅で、特急も止まる白滝駅を(かつてはさらに信号場に格下げになった奥白滝駅も)合わせて連続で「白滝」が続くことから白滝シリーズと呼ばれる。
山奥ではなく周囲は農地が広がり、また線路に国道・バイパスが並走するため交通量はあるものの、人家は少なく列車利用はいずれも一日1〜2人と言われる。 なお、上下合わせ4本のみ停車の旧白滝駅は名前からしてアレであるが、この「旧」が付くのは他には神戸の「旧居留地・大丸前」駅のみとレア。 |
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押角駅
岩手県 |
岩手県の盲腸線、岩泉線の山奥にある駅。 人家のない山奥にあり、あるのは養魚場と養鶏場がひとつずつのみ。 ホームは木造で傾いている。 岩泉線自体が山田線という超ローカル線に接続する超ローカル線で、一日あたり4往復しか列車がない。 「代替交通未整備」を理由に存続している路線のため、路線ごといつなくなってもおかしくはない。 2010年8月の土砂崩れから長期運休中のところに東日本大震災があったため、いよいよかもしれない。 |
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田子倉駅
福島県 |
福島と新潟の県境近くにある只見線の駅。 山奥のダム湖沿いにあり、周囲に一切人家がない。 冬は駅が面する国道が雪で通行止めとなり駅が完全に雪に閉ざされるため、全列車が通過する。 県境の山奥なので、停車する時も都会からは遠い。 しかし、行楽期にはハイキングのための下車客がそれなりにいるらしい。 右写真はWikipediaから。 なお、こんな駅でもdocomoが「JR東日本の全駅にアンテナを立てる」と宣言したためにdocomoの電波が入る。 |
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土合駅
群馬県 |
群馬県の上越線の駅。 周囲に集落はないが、山を模したと思しき山小屋風の大きな駅舎が示すとおりに谷川岳の入り口になっている。 この駅を含む上越線の谷川岳越えは、まず昭和初期に単線で山をできる限り登ってトンネルを短くする形で作られ、この駅も地表に作られた。 その後、戦後になって輸送力増強のために複線化し際には、この駅の隣駅よりも手前からトンネルで一気に抜ける構造を取り、駅もトンネル内に作られた。 |
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海芝浦駅
神奈川県 |
神奈川県横浜市にある都会の秘境駅。 この駅が特異なのは、公道が通じていないことにある。 駅および駅付近の線路は東芝(芝浦は芝浦製作所こと東芝のこと)の敷地内にあり、工場従業員の通勤のみを目的とした駅であるため。 東芝に用がある客は隣の新芝浦を使わなければならないため、一般客は駅から出られない。 とは言え、この駅の特殊性とともに、ホームが京浜運河に面しており工場街や鶴見つばさ橋が眼前に広がるなど非常に眺めが良く、気候の良い日にはカップルやホームから釣り糸を垂らす太公望、さらには写真撮影をするモデルなどがいることもある。 鶴見線の工場街独特の雰囲気も含め、都心にいながら違う世界が楽しめる駅。 |
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小和田駅 ・ 田本駅 ほか 長野県 |
南アルプスを縫う飯田線が愛知・静岡・長野の県境付近を走る小和田〜田本間には、一日10人以下の利用者しかない駅がいくつもある。 元々が険しい山中にあるうえに、ダム湖の完成により集落が沈んだり対岸から隔絶されたことが原因。 とりわけ、小和田駅と田本駅は秘境駅として有名。 小和田駅は駅西側がダム湖で隔絶され、東側が山道を歩いて20分ほどの場所に人家がようやくあるのみという場所にある。 ちなみに、駅名から皇太子・雅子妃ご成婚の際には記念に訪れる客が多くいた。ただし、読みは「こわだ」。 田本駅は、同様に西側がダム湖で隔絶され、東側は崖になっており、直線距離ではすぐ近くに県道や集落があるが、遙か崖の上のため山道を登らねばアクセスできない。 獣道を20分歩くと小さな集落がある。 駅はこれらの家の生活手段や郵便などのためにあるという。 なお、秘境駅人気の高まりからか、2010年・2011年には「飯田線秘境駅号」なる列車が運転された。(JR東海PR、PDF) |
八ツ森駅 西仙台ハイランド駅 宮城県 |
仙台と山形を結ぶ仙山線の駅。 これらの駅が廃止ではなく休業なのは、廃止にすると撤去費用がかかるためだとか、事故や災害時の避難場所だとか言われている。 平成の大合併より前から仙台市内ながら秘境駅になっている。 八ツ森駅は集落が近くにありながら駅へのアクセスがし難く、西仙台ハイランド駅はアクセスはしやすいが集落がないため、徐々に停車列車が減っていきついに2001年ごろに停車列車が無くなった。 |
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菊水山駅
兵庫県 |
神戸市の神戸電鉄の駅。 神戸電鉄のターミナルで神戸の旧繁華街である新開地からわずか5駅、神戸市中心部の三宮からわずか4kmの距離ながら、周囲1kmに人家や施設は数えるほどしかなかった。 神戸電鉄は神戸市中心部に迫る六甲山地を貫いて神戸市北部や有馬温泉を結ぶ路線のため、新開地の隣の湊川を出るとすぐに急勾配を上りはじめ、4駅目の鵯越駅を境についに斜面にへばりつくような住宅地も途切れて山中に突入する。 3kmほど先の鈴蘭台で山を抜けニュータウンが広がるが、菊水山駅はその途中の山中に所在する。 この駅は主に六甲山地の山のひとつの菊水山などにハイキングに向かう客のために設置されたらしいが、利用者は少なくなったため長期休業となった。 休業なのも廃止にすると撤去しなければならないので体力のない会社がそれを避けたため、と言われている。 |
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