初音ミク
はつねみく 2011/12/26更新
初音ミクとは、
① クリプトン・フューチャー・メディア社が発売しているパソコンソフト。
② 同ソフトで使用されているキャラクター。「バーチャルアイドル」と紹介されることが多い。
① ソフトとして
クリプトン社がヤマハの「VOCALOID2」を用いて開発したDTMソフトの第3弾。 クリプトン社の「キャラクター・ボーカル・シリーズ」の第1弾でもある(MEIKO、KAITOは同シリーズには含まれない)。 2007年8月末に発売された。
DTMとはデスクトップ・ミュージックの略で、DTMソフトとは要はパソコン上で音楽を製作・演奏できるソフト。 VOCALOIDはさらに人工合成した音声を加えたことで、「歌をパソコンに歌わせることが出来る」ようになっている。
これらDTMソフトのジャンルにおいては、かつては「1000本売れればヒット」と言われるほどユーザーが非常に少なかったらしい。 初音ミクの販売目標も1000本であったとされる。
ところが、「声」をイメージしやすいようキャラクターを設定した際に「萌え」の要素を取り入れたことに加え、当時初期段階にあったニコニコ動画で受容されたこともあり、発売から1年間で4万本以上を売り上げる大ヒットとなった。
なお、4万本のなかには「DTMには触ったこともないけどミクが好きだから」といった理由でとりあえず買ってみた、という人もかなりいたようで、その結果として「買っては見たけど扱いきれない」という人が音楽の素人を中心に発生した模様。 彼らをイメージした派生キャラとして「弱音ハク」が誕生し、公式化している。
② キャラクターとして
先述したようにソフトとしての「初音ミク」には「声」をイメージしやすいようにキャラクター像が設定されている。
このキャラクター像は、ソフトや製作された楽曲動画のヒットを受けて、ソフトを離れて一個の人気キャラクターといったもいいようになっている。
キャラクターとしての初音ミク
もっとも、キャラクター像として設定されているのはその程度にとどまっている。 これは、敢えてストーリーなどキャラクターに色をつけるのを回避したものらしい。 これは発売後の商業展開においても同様の方針で、キャラデザをてがけたKEIによる漫画作品すらクリプトンとしては非公式扱いになっている。
公式に背景設定などを排除した結果、ヒットにともなって二次創作による派生の設定が付与され、一般に定着にまで至る例が見られるようになっている。
代表的なものが「ネギ」(青葱)で、ミクの持つアイテムとして完全に定着している。 公式ではないが、もはやそれに準ずる扱いといってよく、キャラクター商品などでは定番となっている。
また、公式イラストでは胸はあまりなかったため、ミク=貧乳という扱いがよく見られる。
派生キャラクター
はちゅねミク |
また、2010年にはさっぽろ雪祭りにあわせて「雪ミク」が登場。 これはミクの雪まつりバージョンという形だが、派生キャラとして受容しているファンもいる。
海外にも・・・
この頃からマスメディアにまれに取り上げられることも多くなり、そのようなときには「バーチャルアイドル」として紹介されることが多い。 ただ、バーチャルアイドルとしての要素はヒットを受けて成立したものであり、それで適切な説明かというとどうなのだろう、という気がするのだが。
もっともバーチャルアイドルとしての要素が強いのも確かで、09年ごろより架空キャラクターにもかかわらず「ミクフェス」「ミクパ」などといったコンサートイベントが開催され、活況を呈している(動画)。 2040年を待たずシャロン・アップルが来てしまった。
また、ミク人気は海外にも波及し、コスプレイヤーが見られるようになっているほか、ライブも米国でも開催されるなどしていた(動画)。 すると2011年5月、何をトチ狂ったのか米国のトヨタがカローラのCMにおいて初音ミクを採用してしまった(動画)。 それでいいのかトヨタ・・・
様々な展開が見られるミクだが、今後もしばらくは勢いが止まらないような気がするのだが、「一般化」してしまうのもなんか違うような気がしないでもないのだが・・・
動画