関連項目:

パー線

 ぱーせん ジャンル:鉄道 2011/12/20更新  

 パー線とは、千葉県を走るJR久留里線の愛称。

 「くるり」から「クルクルパー」を連想して「パー線」になったらしい。 元々は地元の若者が使い出したとも言われるが、ネット上でもしばしば使用例が見られる。

 ところで、JR久留里線はストライキという言葉が珍しくなっている現在においてもストライキによる運休が発生することで有名な路線。 春闘が行われる3月のストライキ運休は久留里線の風物詩で、「花見運休」などと揶揄されている。 多くの首都圏の住民にとっては、NHKや各駅の運行情報が伝える久留里線ストライキ運休の情報が「久留里線」という路線に一番触れる時ではないだろうか。
 この運休の背景には、JRの中でも千葉のみが成田空港闘争のからみで独立かつ強硬的な労働組合を有することがある。 労働争議の際には都心に関係する路線の運行がなるべく維持されるよう配慮される一方、千葉以東の房総地区の列車が本数削減などの影響を被るが、とりわけ久留里線は盲腸線で特急も無く千葉県内JR唯一の気動車路線であることもあり存在感をみせつけるべくまっさきに運休が決定するようだ。 

パー線を走る骨董品

 強い労働組合はストライキ以外の部分にも影響している。 2010年代にはJR東日本の多くの路線(とりわけ首都圏はほとんどの路線)でJR時代になってからの新車(走ルンです)が投入されるようになったが、房総地区のみを走る車両はなお国鉄時代の旧型車が維持されている。 これは、新車は技術革新でメンテナンスの手間が大きく減少しているため、労働者のリストラにつながる、と主張していることに基づく。 アメリカにおいて労働団体が「配管や左官などの各種職人が職を失う」という理由でシステムバスの導入に反対し広まっていないのと似ているのかもしれない。
 久留里線にも日本でいまやここだけにしか残っていない車種が3種も在籍し「走る博物館」といわれるほどの路線となっている。 しかしここ数年で都心部の路線の中古車が房総地区に投入される形でようやく旧型車の淘汰が進められるようになり、いよいよ久留里線にも新車が投入されることが決定した。
 パー線の風物詩も、そろそろ限界かもしれない。

 

  


     

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