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聖地巡礼

 せいちじゅんれい 2011/12/25更新  

 聖地巡礼とは、アニメや漫画の舞台、特に実際に描写された場所を訪問するファン行為。 いわゆる「ロケ地探訪」「舞台探訪」。

わりかし普通の行動?

 スポーツでも「高校野球の聖地」「サッカーの聖地」などという言葉があるように、ファンにとって特別視される場所は、宗教的に特別な場所を表す「聖地」にならい「聖地」と呼ばれることがある。
 アニメ・漫画は架空の作品がほとんどだが、ストーリーの舞台に実在の地域が使用されたり、あるいは背景の映像に実際の風景を書き起こしたものが使用されることがある。 これらの場所はしばしばファンにとって特別視され、「聖地」として扱われている。

 これらの「聖地」を尋ねるファン活動が「聖地巡礼」である。 もっともその行動じたいは、柴又のように名作映画・ドラマのロケ地・舞台が観光地になっていたり、近年は各地で設立されているフィルムコミッションの狙いには後々のファンの訪問が含まれているように、珍しいものではない。
 もっとも、アニメの場合には一般の人々にはその知名度が皆無であるため、「突然住宅街に見知らぬ人々がやってきて写真などを撮っていくようになった」と不審がられることが多い。 その後「らき☆すた」のように町興しにまで使われるように受け入れられる場合もあれば、「苺ましまろ」のように出版社から自粛が要求される場合もある。 ただ、テレビなどで報道される場合でも全般的に「異様なもの」と扱われているような気のせいだろうか?

歴史

 古くは1990年代の「天地無用!」シリーズにおいて、同作のキャラクターの名前等が岡山県の地名をモデルにしていることなどから、これらの場所をめぐるファンが多く現れた有名(旧公式ファンクラブの聖地巡礼サイト)。 とりわけ舞台のモデルとなった神社には天地無用のファンノート等が置かれているだけでなく、岡山県神社庁のサイトにも「聖地巡礼の里」と記載されている。 この聖地巡礼は息が長く未だに少数ながら巡礼者が訪れており、また2004年に神社の賽銭箱が盗難に遭った際には公式ファンクラブ経由で50万円もの寄付が集まった。

 近年は、2006年ごろの「ひぐらしのなく頃に」や「涼宮ハルヒの憂鬱」において実際の風景が使用されたことで巡礼という行為が注目されるようになった。 さらに「らき☆すた」では巡礼がブームとなり、とりわけ正月にはモデルとなった鷲宮神社に前年比で17万人も多くの初詣客が押し寄せるほどになった。
 以後の作品にも、どういう意図かは不明であるが実在の風景写真を書き起こしたものを背景に使用するアニメが増加しており、そのたびに巡礼をするファンが出現している。

 個人的には、自治体なんかはもっとアニメを誘致し、観光キャンペーンなんかを開催してもいいと思うのだけど・・・ 倉敷市の「めくりめくる」はどうなっているのだろう?

聖地巡礼者が多い主なアニメ

天地無用!シリーズ 岡山県全域
ほか
1991~
新世紀エヴァンゲリオン 神奈川県箱根町 ほか

 箱根町が舞台で、箱根町や観光協会がタイアップキャンペーンをしたことがある。
1994~
涼宮ハルヒの憂鬱 兵庫県西宮市 ほか

 原作者の出身高校をモデルとした高校が作品の舞台となっており、周辺の実際の場所が作中に多く登場する。 
2006~
ひぐらしのなく頃に 岐阜県白川村 ほか 2005~
らき☆すた 埼玉県久喜市(旧鷲宮町)
    ・幸手市・春日部市
京都府京都市・宇治市
ほか
2007~
けいおん! 京都府京都市
滋賀県豊郷町 豊郷小学校
イギリス・ロンドン ほか

 修学旅行の京都市内・卒業旅行のロンドン以外は実際の土地との関係はない、背景のみの使用。
2009~
あの日見た花の名前を
僕達はまだ知らない
埼玉県秩父市

 舞台のモデルだが、作中での言及はない。
 秩父へ路線を伸ばす西武鉄道が記念きっぷを発売した。
2011~
たまゆら 広島県竹原市
神奈川県横須賀市 ほか

 竹原市・横須賀市はアニメタイアップ企画を開催している。 京急電鉄が竹達彩奈を一日駅長に招き、アナウンスを変えてしまったことも。
2011~
       
       
       

 


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