Ωカーブ

 おめがかーぶ 2011/08/23更新

 Ωカーブとは、奈良県天理市・奈良市の名阪国道(国道25号線バイパス)にある急カーブと急勾配が連続する区間の通称。 略して単に「Ω」と言われることも。 その形状がギリシャ文字「Ω」に似ていることに由来する、名阪間の道路でも屈指の難所。
 なお、鉄道の場合同様なカーブは「半ループ」と言われることが多い。


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上:上空からの画像。県道標示の六角形の幅が100m余というところ
下:天理東ICから東を望む。 左上の横に伸びる白い線も名阪国道か(Wikipediaから)

 名阪国道は自動車専用道路であり、両側が高速道路に直結し名阪間の最重要幹線として機能していることもあり、高速道路に準じた形態をとっている。 しかし、そのいきさつから制限速度が時速60kmの一般国道として作られたため、高速道路に比してかなり低い規格で作られている。 低い規格に加えて建設時期が古いこともあって、この道路は全線にわたってカーブや勾配が急であったりICやSAの加減速射線が短い。

 その中でももっとも特徴的なのがこのΩカーブで、標高が100m程度の奈良盆地と450m付近の大和高原とを一気に行き来するため、勾配を緩和する目的で 「Ω」状に路線を敷いている。 しかし、それでも約10kmにわたり5%以上の勾配が延々続き、またカーブもかなり急なものになっている。 一般国道で最も事故率が高いのが名阪国道であり、その中でも最も危険な場所がこのカーブともいわれる。 こんなカーブでも時速120km前後と思われる速度で通過していく車があるからすごい。
 ちなみに、国土交通省の奈良国道事務所もサイトで使用しており、公式の愛称と言っていいかもしれない。

 なお、このような高低差があるため、下り線の眺望(特に夜景)はすばらしい。 運転していたら見る暇はないが。

 

高峰SA

 「Ω」の東側のカーブの入り端にあるサービスエリア。 マニアお馴染み。

 特に有名だったのが上り(名古屋方面)のもので、加減速車線は進入・進出兼用で両方合わせても非常駐車帯程度の長さしかなく、実質加減速に使えるのは20m程度と極めて短い・・・というか無いに等しいものだった。 左カーブの途中で見通しも極めて悪く、大型トラックであれば本線が上り坂であることもあって、合流してもロクに加速できなかったと思われる。
 このことや近隣にPA・道の駅ができたこと、レストランが撤退したこともあって総務省が廃止をあっせんするほどで(PDF)、実際に2009年を以て廃止された(告知のPDF)。 

 一方で下り線側は不十分ながら加減速車線があったため、これを延長する改良工事がなされるなどして存続している。 それでも普通の高速道路と比べれば合流部分が短いが、都市高速と比較すると遜色ないものにはなっている。 阪神高速13・16号から環状線へ合流する時のがよっぽど怖い。 とはいえ120km程度で下ってくる車もいるので、合流には注意が必要。

 あまりに異様な上り線のSAへの合流を撮影した動画はこちら→ようつべ


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廃止後の上り線(右側)の高峰SA。
加減速車線は気に隠れているわけではなく、見える範囲が全て。
下り線に合流している加速車線は下り線SAのもの。


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