薄い本
うすいほん 2011/07/26更新
薄い本とは、同人誌、とりわけ18禁同人誌(エロ漫画系同人誌)を指すインターネットスラング。
皮肉めいた隠語的表現。 「薄高本」と呼ばれることもある。
エロ漫画系の同人誌は、せいぜい30~40ページのものが多く、ほとんどのものがDVDケースのほうがよほど厚いというくらいの薄さとなる。
「薄い本」の名称はこの物理的性質をそのまま言い表したものである。 製作には学校生活あるいは仕事以外の余暇で作らなくてはいけないであろうし、かといって夏冬の例のイベントをはじめとして年に1~2度以上は出版したいというのが書き手の自然な気持ちではないだろうかということを考えると、そういう本が多くなるのは自然とも考えられる。
また、「薄い本」という表現には「高いのに薄い」という皮肉が包含されていることもある。
同人誌はその薄さにして安くても(主に中小サークルの場合)400~500円、長い列が生まれるなどとにかく目立つ存在である人気サークルの場合はより高い1冊1000円程度になることもあるなど、遙かに厚いコミック単行本よりも高い<補足>。
こういう薄くて高い本を必死に買う俺達、という自嘲めいた意味合いもあるのかもしれない。
2ちゃんねるの実況(西日本)板・アニ関スレでは「薄高本」と呼ばれている。 ローカルな言い回しのようだが、「高いのに薄い」という性質が率直に表されている。
なお、同人誌の象徴的存在といえる薄い本だが、コミケにおいてもエロ同人の割合は半分程度とも言われる。 ただし、「とらのあな」の同人コーナーに行けば8割以上がエロ同人であることを考えれば、全体の総売り上げ部数のほとんどがエロ同人ではないかという気がする。
補足
同人誌が高いのは自費出版ゆえ。 一般的に弱小サークルの場合は「ページ数×10円+カラー表紙100円」が値段をつける基準のひとつなどとも言われる。 この額は同じものをコンビニのコピー機で作る場合と同等。 全部売れれば送料などを含めても一応は黒字になるらしいが、ほとんどのサークルは50部程度であっても完売させることは難しく、大概が大幅な赤字と言われている。 まさに趣味の世界。
一方で、壁サークルなどの一部大手サークルの場合、大量に刷るため原価は低いはずだがむしろ高いことも多い。 それでも需要が供給に追いつかないのでなお争奪戦の様相を呈する。 コミケ一回で数千万円を売り上げる作家もいるとかいないとか。